耐力壁ジャパンカップ参戦記
2011年 10月 21日
10月9日、10日に富士市の日本建築専門学校で行われた「第14回 木造耐力壁ジャパンカップ」にポリテクカレッジ滋賀で出場しました。簡単にルールを説明すると、出場16チームで予選があり、8チームに絞られます。この8チームに残らないと賞に該当しません。残った8チームでトーナメント戦を行い、優勝したチームが「トーナメント優勝」という賞を獲得します。この他に、耐震部門賞、デザイン部門賞、加工・施工部門賞、環境部門賞、そしてそれらの評点を総合した、ジャパンカップ総合優勝があります。8月から予備実験を重ねてきて、予選を突破しさえすればそこそこの評点になる予測はあったのですが、予選で敗退すれば点数がつかないので、対戦相手が決まるまでは生きた心地がしません。
予選はくじ引きでポリテク秋田に決まりました。ホッと一安心(秋田さん、スミマセン)。右が秋田さんです。

決勝トーナメントではトーナメント優勝を果たしたポラスとの対戦となりました。はっきりいって全く刃が立ちませんでしたが、評点には有利になりました。なぜなら耐震点は最大耐力ではなく荷重変形の履歴面積ですから、変形性能の高い我々の壁には十分に固い壁に引っ張ってもらうのがよいのです。結果は予想通り・・・。

ポラスの壁はほとんど変形していません。
ところでこの大会には木造の大御所と呼ばれる先生方が多く参加されています。主催者側でもある東大の稲山先生、東京都市大の大橋先生、京大の小松先生・・・、蒼々たる面々ですが、それぞれの壁に工夫がみられます。なんといっても感動ものだったのは稲山先生の「紬」(下の写真右)です。見れば見るほどよくできていました。土台にウリンを使っている以外は文句の付けようがありません。トーナメント戦では耐力でポラスに負けましたが、ポラスの壁は破壊してしまいましたので、実際には紬の勝ちです。

因みにポラスの壁は金物をふんだんに使っています。東大木質研(稲山先生)、大橋研、小松組、いずれも金物は使用していませんが、大橋研は柱脚にLVLを使用しています。小松組は圧縮木材を使用しています。ちょっとズルです。
最終成績は、ここにのっています。下から3段目、ダイアゴナル(綾織りという意味)です。滋賀県立大と間違わないでね。
結局、初出場で金物や外材、EWなどを一切使わず、地元産の天然乾燥材だけで作り、施工にプロを雇うこともなく、総合2位は誇れる結果だと思います(優勝以外は表彰されませんが・・・)。
有意義な経験をさせていただいたポリテク滋賀の大澤先生、ゼミ生には大変感謝しております。(川端建築計画 川端眞)

# by moritomizunokai | 2011-10-21 15:57 | 雑感