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最後の地域建築学

数年前からポリテクカレッジ滋賀で地域建築学という講座を担当してきました。ところが先の建築士法改正に伴って、受検資格のためのカリキュラムも強化されたため、独自講座は縮小することになりました。この学校、即戦力の職業訓練を重視しておられるので、学生の創造性を養うような講座はあまり見あたりません。そんな中で地域建築学の講座では、建築的なものの見方やノミナスグループワークの体験など、直接実務とは繋がらない内容ですが、企業の単なる歯車になるのではなく、自分で考える力を身につけてほしいとの願いを込めています。
10月5日に最後の講義をおこないました。といっても、この講座の最終日は特別講義として、建築家にその人の考える地域建築を語ってもらいます。この日は笠原啓史さんにお願いしました。話は飛びますが、スローアーキテクチュアという言葉をご存じでしょうか。2003年のカーサブルータスで特集されています。その中でピーター・ズントーが紹介されているのですが、実は笠原さん、ズントーの建築を見るために昨年スイスへ行かれたのです。自分では多分一生行けないので、無理を言ってズントーネタをお願いしました。
ズントーの建築はもちろんすごいのですが、普通の街並みにも感動です。歴史的な建築と近代建築がどれもきちんと造られていて、プレファブや新建材の安物は見あたりません。そしてあたりまえのことですが、歴史的な構法や材料が現在の新築にも同じように使われています。猫の目のように変わる日本の建築基準法とは正反対で、成熟した社会の安定感を感じます。(川端建築計画 川端眞)
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by moritomizunokai | 2009-10-07 10:04 | 雑感